Niccolo_Paganini

最近では「悪魔に心を売った。」などという表現をしても、あまり真剣に受け止めてもらえません。

しかしこれが200年前のイタリアだったらどうでしょうか?

死んでもお墓に入れてもらえないかも知れません。実際にそんな目にあったアーティストが存在しています。それが現在でも非常に高く評価されている音楽家パガニーニです。

 

パガニーニは悪魔と仲良し?

イタリアに生まれた「ニコロ・パガニーニ(1782~1840)」は、現在も技巧派として高い評価を得ている演奏家、作曲家です。

その中でも特にバイオリンの演奏で知られる存在です。5歳から弾きはじめた彼の演奏テクニックは、すでに13歳の時には新しく学ぶ教材が存在しないほどのレベルでした。

そのため自分で作曲した練習曲で練習を行っていたそうです。

 

あまりにも常識外れのテクニックを持っているため「悪魔に魂を売り渡した代償で、演奏が上達したに違いない。」との評判がたちました。

その後も悪魔的な存在として彼を観る観客が多くいたようです。もともと病弱だった彼は、病気の治療のために使用した水銀の中毒でバイオリンの演奏ができなくなり、約6年後に亡くなります。

この時も悪魔に関係したとの噂のために、彼の遺体はなかなか埋葬できる墓地が見つかりませんでした。何度か各地へ改葬された末に、1920年代のはじめになってやっと現在の共同墓地に落ち着きました。

 

パガニーニの影響はリストにも

こちらも超絶技巧のピアニストとして有名な「フランツ・リスト(1811~1886)」は、まだ若い頃にパガニーニの演奏を観ることで高度なテクニックの習得に目覚めたそうです。

現在ではパガニーニの名前を冠したコンクールさえ存在している時代です。それだけ現在でも彼の残した演奏技術と楽曲は十分以上に魅力的であるということでしょう。

実際の彼は自分の技術を他の人が真似ることを嫌ったようです。

 

そのため生前には楽譜を出版せずに、自分で管理していたほどです。

さらに死の直前に自分で管理している楽譜を燃やしてしまいました。現在出版されている楽譜は焼却されなかった残りと、彼の演奏を聴いた作曲家などが後から作成したものです。

たった一人しかいなかった弟子にさえ自分の技術を完全には伝授していなかったパガニーニは、本当に悪魔と密約を交わしていたのかも知れません。

 

パガニーニの悪魔的な魅力

クラシックの世界にとどまらず、広い分野に影響を与え続けているパガニーニの音楽です。

それはヘビーメタルのようなロック系の音楽の世界でも同様です。と言うよりも悪魔的なイメージから連想する世界観には、もっとも適した音楽分野とも言えます。

これでもかとテクニックに訴える曲構成にも類似点があると思われます。

 

1985年には、自称パガニーニの子孫がヘビーメタルバンドを結成(バンド名 パガニーニ)したということもありました。

彼が最後に使用していた「カノン」と命名されたバイオイリンは、故郷のジェノバ市に寄贈されました。

その時の約束が他人に譲渡、貸与、演奏しないという内容でしたが、これは何度も破られているようです。

それでも悪魔の力を借りて報復しないパガニーニは、案外優しい心の持ち主だったのかも知れません。

パガニーニ、それは悪魔に心を売って得た魔性の演奏技術なのか?

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