夏になると聞きたくなる音楽というものがあります。

特に青い空にピッタリの音楽として思い出すのがあのインスト曲です。

全く変わることなく長年日本人に愛されてきたザ・ベンチャーズの音楽は、どうしてここまで我々に訴えかけるのでしょうか?

歌のないインスト曲であるため言葉の壁がないことも理由の1つでしょう。しかしそれ以外にも秘密がありそうです。

 

ザ・ベンチャーズと言えばエレキ

米国で1959年に結成されたインストゥルメンタル・バンドが「ザ・ベンチャーズ」です。

現在では本国よりも日本での人気が高いバンドとしても知られています。初めて日本に来たのは1962年ですが、2回目に来日した1965年に人気が爆発しました。

ベンチャーズに憧れた若者が日本中でバンドを結成して、エレキギターを演奏するという新しい文化が日本にも定着しました。

歌がなく演奏のみで自分たちの音楽を表現できるということは、言葉の壁が存在しないということです。

この点も大きなメリットとなりましたが、さらに日本を意識した曲を制作するようになり、ますます日本での人気が高まりました。

日本人に合わせて作曲した楽曲のなかには、日本の歌手が歌って大ヒットしたものさえ存在します。

例えば第12回日本レコード大賞・企画賞を受賞した「京都の恋(歌 渚ゆう子)」や「雨の御堂筋(歌 欧陽菲菲)」などが知られています。現在では、毎年1月と夏に日本でコンサートを開催しています。

 

ザ・ベンチャーズの独自性とは?

それまでのエレキギターの印象を大きく変えたところが彼らの大きな功績です。

あくまで歌手が主役であり、その後ろで黙々と伴奏を行い、たまに短時間のソロプレイを披露する程度の役回りだったはずの楽器が、このバンドでは常に主役として大活躍します。

その奏法もこれまでにはなかった新鮮なものでした。ギターを歌わせることで、言語に関係なくアーティストの表現したいことを伝えるという手法は革新的なことでした。

エレキギターによる表現の面でも、新しいテクニックを曲に盛り込むことで、日本人にも楽器としての可能性を示しました。

特に有名なテクニックが一般に「テケテケサウンド」と呼ばれているクロマティック・ラン奏法(低音弦に指をスライドさせるトレモロ奏法)が知られています。

トレモロアームの効果的な使用方法は、現在のロック・ギタリストのほとんどが影響を受けている部分です。

 

ザ・ベンチャーズは現役アーティスト

日本で大きな人気を獲得した原因としては、彼らの音楽が誰にでも理解できるものである点と、確実な演奏テクニックが存在している点を挙げることができます。

高度なテクニックを全面に出すようでは、一部のギターマニアにしか喜ばれません。

どのような目的で聴いている人にも満足できる音楽を提供できるバンドであるということでしょう。

これは日本の文化にも通じる特徴でしょう。何度もメンバーチェンジを繰り返しているベンチャーズですが、それでも表現する世界観は少しも変わりません。

ザ・ベンチャーズ、まさにエレキの伝道師であり夏の風物詩

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